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美雨は胸が熱くなるのを感じた。
出会ったばかりの二人…
なのに不思議と自分の気持ちを正直に打ち明けられるのは、決して馬鹿にすることなく こうして暖かい言葉をかけてくれるから。
昨日から二人の言葉に何度も美雨の心は揺さぶられた。
一人過去に来てしまった不安も…歌うことへの迷いも…
この二人がいれば大丈夫な気さえしてくる。
「あり…がとうございます!!」
美雨は声を出して泣きだした。
こちらに来てからすっかり涙もろくなってしまったらしい。
(泣くのはこれで最後にしよう。
ここで…
この舞句で…
この二人と…
やれるだけやってみよう!!)
桜色の舞句に落ちる自分の涙を見ながら 美雨は心の中で強く誓った。
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