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朝食をとり終えた美雨は、恭太郎の提案で 早紀に町を案内してもらうことになった。
外出するために 昨晩早紀に借りた寝巻から、これまた借り物の浅葱色の着物へと着替える。
「美雨様、おぐしはそのままでよろしいのですか?」
着物の着方が分からない美雨に着せ付けをしながら早紀が尋ねた。
美雨はパーマなどはあてておらず 綺麗なストレートなのだが、この時代の人は皆髪を結っている。
そのため このまま外へ出れば目立つだろうと早紀は考えたのだ。
「えっ…ああ!!おぐしって髪のことですか。
やっぱ目立ちますよねぇ…。
でも私、この時代の結び方とかわからないですし。」
早紀の視線から髪のことを言っていると気づき、前髪を手に絡め 困ったように苦笑いする美雨。
「それならばご心配は無用!!よろしければ早紀が髪を結わせていただきます!!」
その言葉に早紀を見ると、櫛(くし)や簪(かんざし)を手に持ち やる気満々といった様子だ。
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