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そうして支度を終えた二人は早速町へと向かうことにした。
葵屋を出る際、玄関ですれ違った恭太郎が美雨を見て固まっていたのだが 当の本人は全く気付かず……
呑気に「行ってきまーす」などと言うのだった。
外に出た途端おかしそうにクスクス笑う早紀。
「何かおかしかったですか?」
「フフッ、お気付きにならなかったのならいいのでございます。
ただ 私の思った通りでございましたゆえ。」
「?そうなんですか。」
やはり全く分かっていない美雨。
早紀は兄を憐れみながらもどこかホッとしていた。
「美雨様はどちらか行きたい場所などございますか?」
「うーんと…この時代のことはさっぱりなんでお任せします!!
あと美雨でいいですよ?早紀さんのほうが年上なんだし、敬語もやめてください。」
答えた美雨は、ついでにずっと気になっていたことを口にした。
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