少女

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次にその声。 呟く声でさえ、容姿に相応しい美しい声だった。 甲高いわけではなく、耳にすっ…と入ってきて絡みつくことなく心に溶けていく。 そんな声だ。 「東雲さんおはよう。」 突然かけられた声に驚き、振り返ると クラスメイトの女子が立っていた。 「あ、おはよう。」 美雨は声を低くし、いつもの美しい声とは違う声で返事をした。 端から聞けば 不機嫌なのかと思わせるような声だ。 挨拶をしてきた女子もそう感じたのか、それ以上何も言わずに歩いていってしまった。 「最後くらい感じよく返事したいのになー…」 またも美雨が憂鬱そうに呟く。 ただでさえ常人離れした容姿から話し掛けづらいのに、不機嫌そうな声をだすせいで余計に関わろうとする人が少ないようだ。 美雨が何故そのような態度をとるのか。 それはあることが周りにバレないようにするためだ。 自分が世間を騒がす"RAIN"であるということを。
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