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「…おや、早紀ちゃんじゃないかい。お買い物かね。」
そんなことを考えていると、老婆は早紀に声をかけてきた。
どうやら知り合いのようだ。
「お梅さん!!
いえ、今はこちらの美雨様に町を案内しているところでございます。
お梅さんはお散歩ですか?」
「あぁ…今日は天気がいいからねぇ。
孫の栄太と河原でも歩こうと思ってなぁ。
美雨さんと言ったかい。別嬪さんじゃねぇ。
葵屋のお客かね?」
「い、いえ、客じゃないんですけど、お世話になってるんです!!」
突然話し掛けられ、しどろもどろになりながらも美雨は答える。
「美雨様…美雨、こちらは町で乾物屋を営んでいるお梅さんです。」
「そうなんですか。
私、東雲美雨です!!
よろしくお願いします!!」
元気に挨拶をする美雨に 梅は目を細めて笑う。
「よろしくねぇ、美雨ちゃん。
それじゃわしらは行こうかの。
またね、早紀ちゃん。」
「はい、お気をつけて!!」
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