髪結

9/10
前へ
/170ページ
次へ
しばらく歩くと、様々な店が立ち並ぶ 賑やかな場所にでた。 行き交う沢山の人々は皆もちろん着物。 中には腰に刀を携えた者もいる。 美雨は祖父がよく見ていた水戸黄門を思い出していた。 「すっごぉい…これテレビじゃないんだもんなぁ。」 そう呟き 興味津々に周りを見回す。 だが、そんな美雨もまた 周りから注目を浴びていた。 "誰だいあの娘。別嬪だねぇ" "変わった髪の色をしてるなぁ" "隣にいるのは葵屋の…するってぇと、旅籠の客かぁ?" そんなひそひそ声があちこちから聞こえてくるが、町を見るのに夢中な美雨は まるで気付いていない。
/170ページ

最初のコメントを投稿しよう!

414人が本棚に入れています
本棚に追加