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その言葉に早紀は顔を真っ赤にして慌てふためいた。
「な、何を言い出すんです美雨!そんなっ……」
「??嫌いなんですか?兄弟なんだから仲良くしたほうがいいですよ。
私は一人っ子だから羨ましいけどなぁ。」
慌てて否定する早紀を不思議に思いながら美雨は続ける。
「えっ…あ、そうでございますね!!も、もちろん兄上のことは尊敬しております!!」
美雨の言った"好き"と自分が思い描いた"好き"の違いに気付き、早紀は更に顔を赤らめた。
(早紀さん顔真っ赤……恥ずかしかったのかな?)
そんな早紀の様子に、美雨はそう推測してみる。
「お兄さん好きなのは恥ずかしいことじゃないですよ。だって家族なんだもん。
しかも早紀さんにとってはたった一人の。大事にしなきゃ。」
「そう……ですね…。家族…………でございますもんね。」
どこか寂しげに言う早紀が美雨は気になった。
早紀はまるで何かを自分に言い聞かせているように見える。
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