やって来た王道転校生

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ーーガララララーー シーーーーン クラス全体が静まりかえった 目まで隠れたボサボサヘアーに今時どこに売ってるの?と聞きたくなるような瓶底眼鏡 一言でいえばオタク しかしおそらくあれは変装 逆に目立てしまっていることに彼は気付いていないのでしょうか? 正直関わりたくないタイプです 「俺・・あー僕は玖爛千里です!よろしくお願いします」 敬語は使い慣れていないのか かなり違和感を感じる すると彼が自己紹介をし終わったのと同時に静まりかえっていた教室が また騒がしくなった 「転校生ってオタクかよー」 「オタクキモいー帰れー」 「よろしくしたくなーい!」 周りから次々と批判の声が上がる 「先生、俺あー僕の席ってどこですか?」 ところが転校生は批判の声なんて全く気になりませんといった態度 更に周りの反感が強まる 「お前の席はー、チッ桜月の隣だ!窓際の一番後ろ」 ・・はっ?俺の隣? 聞き間違いですよね? というか聞き間違いがいいです! あぁー頼むからこっちに向かって来ないで下さい! 転ばせようと出て来る足を華麗に踏み付けるその動作も今は恐怖でしかないんです! 千里「隣、よろしくお願いしますね!あっお・・僕のことは千里でいいです」ニコッ ・・・聞き間違いじゃなかった 関わりたくなかったのに 「あいつ、華乃様に馴れ馴れしい!」 「いやー華乃様が汚れるー」 「華乃様逃げてーー!!!」 周りから転校生への批判の声があがる中、俺は離れた席に居る帝に視線を送った 『どうにかして下さい』の意味を込めて しかし帝の視線は俺にはなく転校生を真っ直ぐに見つめて(睨みつけて)いた
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