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それより・・・
「・・・さっきはありがとうございました、頼んでませんが」
一応礼くらい言っておいた方がいいだろう
若干声が小さくなってしまったが会長の驚いた様子からちゃんと聞こえたのだと確認することが出来た
それにしても・・・
「失礼ですね、俺だって礼くらい言います」
「あ!?あぁ別にそういう訳じゃなくて・・・いや、何でもねぇ ところでこのクソ不良共には何もされなかったか?」
急に話題を変えた会長はそう言いながら足元に倒れている不良達の頭を蹴った
なんとも酷い扱いである
「少し噛まれただけですよ」
平然と答えた華乃だったが意識した事により先程の気持ち悪さを思い出しブルッと震えた
「・・・見せろ」
そう言うと会長は華乃の首元を覗き込み顔をしかめる
「・・・結構強く噛まれたな、血が滲んでる」
ポケットからハンカチを出し華乃の首元に押し付けた会長
「しばらくそれあてとけ」
へぇ、意外といい所ありますね
「意外は余計だ 後、今からこいつらの処分してくるから・・・部屋まで送るか?」
どうやらまた声に出ていたらしい
気をつけなければ
「では彼等の事はお任せします と言っても後で俺自身が地獄を見せて差し上げるつもりですが あぁご心配なく、徹底的にやるつもりですので」
天下の生徒会長様も何を?とは聞けなかった
「後部屋にはまだ戻りませんし、そうでなくても送りなど結構です
では会長、もう会うことはないと願ってます」
そう言って華乃はその場を去ろうとした
「桜月!」
声が聞こえ振り向くと不良を担いだ会長がこちらを向いていた
「京って呼べよ」
京?あぁ生徒会長の名前か
何故突然そんな事を言い出すのか分からなかったが
「全力でお断りします」
そう笑顔で言い再び華乃は歩きだした
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