若頭 浮田の憂鬱

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○月×日 今日は晴れ 仕事が一段落した。 趣味と言うものもないし、何をしようか。 ーーーーーーーー 漸く仕事が片付いた。 浮田は自分の部屋に戻って、書物に目を落としていた。 恭也は先程椿と別用で出て行った。 屋敷には舎弟と偲がいる。 ふと時計に目をやると、昼前だった。 屋敷にはきちんとした料理人を雇っているため、飯時も管理させている。 そろそろ昼飯かと、書物をたたむと、ちょうど偲が襖を開けた。 「浮田さん、ご飯できたので食べましょう」 偲はやはり恭也から渡された着物を着ていた。 「はい、今行きます」 ゆっくり腰を上げた。
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