或いは、傷痕。

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峰園 偲(みねぞのしのぶ)はいつものように会社に出勤し、社長室のドアを開けた。 数秒前は普通に入り、いるはずの社長に挨拶をしていた筈なのに、偲は息を詰まらせただ立ち尽くしていた。 「・・・な、んで」 荒れた社長室。 赤黒い絨毯には書類やらCDROMやらが無秩序に落ちていた。 偲は書類を拾い、辺りを見渡す。 (泥棒?の筈がない。ここのセキュリティは万全なはず) 「とりあえず社長の安否を」 ケータイを取出し社長に電話をかけるが、繋がらない。 嫌な予感がする。 落ちている書類を拾おうとしていると後から聞き慣れない声がした。 偲は驚き振り替えった。
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