或いは、傷痕。

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「駄目な訳がないだろ。偲。俺はお前に惚れたんだ」 そしてまた涙が溢れる。 「あなたが好きです」 涙で上擦った声が部屋を包む。 「あなたと一緒にいたいです」 キツく抱かれた胸。 恭也の鼓動は確実に早くなっていた。 「お前が逃げたくなっても離してやらねぇからな」 そして接吻。 今までに無いぐらいの優しいキス。 知らない間にこんなにも惹かれていたなんて。 気付かない自分が憎らしかった。 そしてまた朝が来て。 気だるいぐらいの愛に包まれた一室に 光が差した時のこと。 愛を語るのに無粋な彼が、今日は一段と無粋に愛を語った。 あなたが残した全ての後傷も愛せそうです。
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