若頭 浮田の憂鬱

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○月×日 今日は雨 夜になって時間も遅いのに、仕事を投げ出して恭也さんは部屋から出て行った。 連れ戻さなくては ーーーーーーーー 深夜の廊下は冷える。 着物一枚と上から羽織をかけて恭也を探しに浮田は廊下へ出た。 内心、行くところは分かっているし、する事くらい把握している。普段なら邪魔など一切しようとも思わないが、今日は何故か許せない。 大切な仕事だからなるべく早くかたしてくれと浮田は恭也にきちんと説明した。したはずなのに、浮田がいる目の前で 「休憩してくる」 と言ってそのまま30分。 ふざけるなと言いたくなった。 浮田も浮田で仕事もあるのにまた繰り上げで恭也の分までやらされたらたまらない。
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