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「俺もさっき抱えようと思ったら引っかかれました」
ほら、と白い細い手を浮田に見せた。赤い筋が入った手は痛々しく、苦笑いした偲がどこか愛らしくなった。
「これは痛々しい。手当てをしなくては」
「あ、大丈夫ですよ。猫をまずはどうにかしないと」
座布団の上の子猫は優雅に欠伸をする。
しかし猫の扱いなど知らない浮田はまごつく。
「猫はどうやったら捕まえられるんですかね」
浮田はゆっくり立ち上がって猫に近づいて目の前で膝をついて座った。
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