崩れゆく均衡

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蟲界の中央にそびえ立つ巨大樹のまわりに栄えるコロニー、『緑桜界』 その大樹に三賢蟲のために造られた御殿 その御殿の緑桜界を見渡せる位置にあるベランダで手すりにもたれかかっている者がいた その者は全身を黒光りする緑色の甲殻に覆われ、背中にはクワガタの翼を生やし、両肩と頭に一対づつクワガタの顎の様な突起と角を生やしていた 「平和は良いことたが暇なもんだ…」 下を行き交う人々(ビーノイド達)を見下ろしながら佇んでいた 「よう、ギラファ こんなとこで何してんだ?」 後ろからギラファと同じように黒光りする赤色の甲殻に覆われ、背中にはカブトの翼を生やし、頭には反り返ったカブトムシの様な角を生やした者が、 ギラファに話し掛けてきた 「別にただ暇を潰していただけさ… そういうお前こそ『角頭界』に帰ったんじゃなかったのか、ネプチューン?」
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