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はい。とホットコーヒーが
俺の手中にすっぽり収まる。
「あ、あんがと。」
「いいよ、別に。
それで?どうかしたの?」
自分の持っている珈琲を
こくりと喉に通しながら
彼は問いかけてきた。
「いや…」
言いたい。
けど言いたくない。
彼に迷惑をかけたくない。
けど知ってほしい。
そんな矛盾が
俺の脳内を過った。
「実は…その…」
俺の中の葛藤が
俺の声帯を濁らせる。
嗚呼。どうしたら
この矛盾を糺せるのか。
「もしかして、さ。
彼女の?」
未だ葛藤を続けていた俺に
彼は言いにくそうに質問してくる
だが
それが少し嬉しかったりもする。
「う、ん…」
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