プロローグ

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“あの日”の事は今でも良く覚えている。 まぁ、忘れられない思い出になってしまっているわけだから、覚えているのは当然と言えば当然か…… “あの日”の天気も、周りの景色も、その時の香りすら。 普通なら異常かもしれないが、生憎と俺は“普通”じゃないから問題無い、何が問題無いかは分からないがとにかく問題は無い。 “あの日”は最初は最悪な日だった、それはそれで忘れられない、忘れることの出来ない日。 そんな最悪な日は“あいつ”と出会った事で変わった。 最悪が、出会った時に最高に変わったんだ。 その時はそんな事思う暇なんて欠片も無かったから、そう思うのは遅れてしまった訳だが…… 後から思い返せば、“あの日”は俺の短い人生の中で最高で最悪な日であったのは間違い無かった。 全ては“あいつ”と出会ったから、“あいつ”と出会えたお陰で俺はある事を見出だす事が出来た。 恥ずかしいから本人には言えないが、それは俺の中で最も大事な想いとなった。 それが有る限り俺はいつまでも戦い続けられる。 挫けずに居られる、諦めずに居られる。 その想いが存在する限り、俺は――
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