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「でもな、そいつは凄く強い奴なのさ、確かに身を守るほどの武術も無い、人を騙す知恵も無い、でもそいつは凄く強いんだ。」
ここがな、と何かを示すようにトントンと龍計は軽く自分の左胸を叩く。
「そいつは、心が凄く強い奴なんだ、その点に関しては俺ですら敵わない位に強い心を持ってやがるんだ。」
強い心、何に対しても精神が折れない、と言うわけではないのだがとある一点が心を強くしていた。
「叶えられる筈の無い理想だ、それにも関わらずあいつは一度も諦めようとはしねぇ、少しずつでもその理想を叶える為にずっと努力してやがる。」
普通ならば叶えられないと分かった時点で諦めるだろう、しかしその人物は決して諦めずにいる。
「強い、本当に強い奴なんだよ、そんな姿に、想いに惹かれちまったから俺はそいつの側に居る、理想を完全に実現出来なくても少しでも実現させてやる為に。」
ただ、と再び浮かべるは苦笑。
「どーもそろそろ俺や仲間があと二人、いやさっき一人増えたな…とにかくそいつの考えに賛同した奴は少なくてなぁ、いい加減この人数じゃやれることが限界に近付いてきたのよ。」
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