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それは仕方がないだろうと素直な感想を夏翼は心の内に漏らす。
何せ理想が理想だ、そんな夢物語の様な考えに賛同する人間は少ないだろう。
ただでさえ厳しい生活状況、世の中、そんな最中でそんな事をする余裕がある人間なんてそうはいないだろう。
更にその中で賛同する人間はかなり減少するだろう、それぐらい世の中は不穏を隠せない状況なのだ。
「そこで提案がある、お前達の罪を見逃す代わりにさ、ただ無かったことには出来ないから注意してくれよ。」
「流石にそんな都合良くいくとは思ってないが、提案とは一体……?」
まぁ、何となく予想はついている、でなければあんな話をしてくるわけがない。
「んにゃ簡単な話だよ、すごーく簡単な話だ。」
聞き返せば途端に笑顔が咲く龍計の顔、それを見て夏翼は自身の考えに確信を得た。
「お前ら、俺達の仲間になれ、部下になれとかは言わん、命令はすんのもされるのも嫌いだから上下関係は正直嫌いだからな、仲間になるんだったら今回犯した罪を見逃してやるが、如何かな?」
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