真・恋姫～理想の為に～

村へ、情報と皿洗いと

夏翼の予想通りのその言葉、予想通り過ぎる言葉に夏翼は顔を僅かにしかめる。

「確かに俺達には最高の提案だろう、だが断らせてもらう。」

「あ……何故だ？」

「理由は一つ、俺達が盗賊なんてすることになったのは一緒に連れてきた村人を養うな為、真っ当な方法ではないとはいえそうでもしなきゃ村人を養えないからだ。」

特に子供達を、村の大人達や夏翼は飢えに対して我慢は出来るが子供達はそうではない、せめて子供達だけには少なくてもきちんと食事を与えてやりたいのだ。

「あんたらは五人で旅をしてるのだろう、そんなあんたらに俺達含め百名超える村人を養える程の金銭があるとは思えない、だから申し出は嬉しいが、村人の事を考えたら断るしか出来ない、すまないな……」

本当は龍計の提案は心底喜ばしいもの、しかし村人の考えたら受けいる事は出来ないのだ。

だから断った訳だが、理由を聞くやいなや龍計は何故か笑みを浮かべて――

「あぁ、その事なら心配要らないぜ、テメェラ全員を養う術ならあるからさ。」

そんな事を口にしたのだった。