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風天は笑みを浮かべ右手を差し出す。
その意図を理解した緋煉は、迷うことなくその手を取り力強く握る。
今、この時を持って、一つの小さな小さな勢力が生まれるのであった。
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「…………何やってやがんだテメェラは……」
緋煉とその部下五十名+緋煉が連れてきた村民達を仲間にした風天。
とは言えどいきなり仲間が大量に増えたなんて桃香達に言えるわけもなく、また正義感がやたら強い愛紗に盗賊を仲間にした何て言えば面倒事になるのは火を見るより明らか。
なので一旦別れ、公孫賛が直接治めている街へ先に行ってもらうことにした、少し考えもあるからだ。
その事に緋煉達は嫌な顔一つせずに頷いてくれた、良い奴らだと染々思う。
それと盗賊を仲間にしたが、村を守った事に代わりはなく、また風天の話を聞いていた村人から少しばかり謝礼金を貰った、断ろうとは一応したものの、どうも風天の話に心が打たれたらしく、余りの熱意に断りきれなかった。
だから風天の腰ではジャラジャラと小銭が擦れ合い音を起てる、村人が少しずつ出した結果麻袋がパンパンになってしまったのだ。
それまではいい、しかし問題はその後に起きた。
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