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そう無銭飲食、あろうことか四人は金を持っていないのに店で食事をしたのだ。
これから世の為人の為と奮起しようとしている連中が、なんて事をしているのやら。
「つか、金が無いなら俺に言えよ、直ぐに調達してやるのに……」
村に入った際に言ったように、金銭管理は愛紗の役目である。
ただどういう訳か愛紗は余り金銭に関して風天に告げようとしない、良く理由は分からないのだが。
「いえ、今までも迷惑を掛けているのにこれ以上迷惑をかける訳には……それに……」
今までも、と言うのは言葉の通り、本当に色々と迷惑を被ったのだ。
それも些細な物から非常に危険な物まで色々と、まぁ特に苦労なんてしていないから風天からしたら迷惑でも何でもなかったが。
それより気になったのは愛紗の視線だ、どういう訳か視線は一刀に向いている。
何故このタイミングで一刀を見たのか、この場所がどういう場所か、どうして働かされているのか考えたのち、風天は鋭く責めるような視線を愛紗と桃香の二人に送る。
「まさかテメェラ……一刀に金を払わせるつもりだった訳か?」
ビクリと、二人の肩が震えた、当たってほしくない答えに思わず三度目の溜め息が溢れる。
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