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良い訳がない、むしろ困る。
ちらりと視線を戻すが風天の体制は変わっていない、本当に綺麗な土下座だと染々思う。
桃香が了承しなければ多分ずっとこのままだ、あり得ない話ではないからこそ桃香は折れた。
「……分かった、風君の言う通りにするよ。」
「本当か!?」
「うん、北郷さんにも説得されたし、何よりそんな風君見るの嫌だもん、だから私は北郷さんの事は北郷様と呼ぶことにするけど、良いかな?」
今度は視線を一刀に送ると、一刀は静かに頷いた。
「良いよ、一応は上に立つ身だからそれぐらいは我慢しないとね。」
「ありがとう北郷様、風君もそれで良い?」
「俺は御主人様なんて呼ばなければ良いんでな、構わないさ。」
目を離した一瞬の隙、いつの間にか立ち上がりきちんと大剣を背負った風天は満足気に頷く。
「さて、そういや真名の説明の最中だったけ?真名っていうのは許された者しか口にしちゃいけない名のこと、そいつの本当の名のことさ、因みに真名を知っていたとしても許可なく呼んだら殺されても文句言えないから気を付けろよ。」
ブルリと、一刀の身体が震えた、まさかそんなものだとは思いもしなかったのだろう。
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