2人が本棚に入れています
本棚に追加
「あの女の眼は、人間のソレじゃない!」
学校は午前で終わったため、お昼には下校する事ができたオレ達は、真っ直ぐ家に帰ることにした
「そうだね、天衣君は明日から遅刻できないね」
橙野さんが同情の声をかける
とっ、橙野さんと一緒に帰れるなんて夢のようだ
「鼻の下が伸びてるぞ、レイ」
「お前がいなけりゃ、もっと幸せだったのにっ!!」
オレと橙野さんとの間には、まるで2人を隔てる仕切のようにテルがいた
「お前、普通は逆だろ!?
なんでろくに喋りもしないやつが集団の真ん中に立ってんの?
おかしくね?」
すると、お決まりのようにテルはヘッドフォンを指差した
「え?聞こえない」
「ホントはお前、聞こえてんじゃないのか!?ホントは音楽聴いてないんじゃないのか!?」
「聞こえんな」
「まぁまぁ2人共落ち着いて、私こっちだからまた明日ね」
橙野さんは別れ道の片方を指差し別れの挨拶を交わすと、行ってしまった
「中々進展しないものだな、レイ」
誰のせいだかわかってる?
暫く歩くと、テルは立ち止まった
「では、また明日」
「おう、じゃあな!」
テルに背を向け歩き出す
「車に跳ねられるなよ」
後ろから縁起でもない別れの挨拶をする友人
「う…うん、バイバイ」
最初のコメントを投稿しよう!