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数分の沈黙の後、痺れを切らしたヒルダさんが話題を変えてくれた
「そういえば
今朝私、学校に向かう途中で知らないお方に声をかけられたのですけれど…」
「そっそれって、痴漢?通り魔?変質者?」
興奮気味に、会話に割って入ってきたのは神出鬼没の変態児殊、黄瀬童迦
コイツは、所謂Y談に異様に食いつく
「声の主は殿方ではなくて…」
「ということは女の変質者なのかいっ!?
いっ一体どんな変態チックな嫌がらせを受けたん…」
「うるさーいっ!!」
見事に黄瀬の顎を捉えたヒルダさんのアッパーは、そのまま黄瀬を昇天させた
「話しを戻しますけれど
お声をおかけになられたのは、中学生位の小柄な女の子だったのですよ
その子、私の名前を存じているようだったのですが、当の私はまったく見覚えがなかったので、その子にお名前を伺おうとしたんですが…」
「ですが?」
「その時には、既に何処かに消えてしまたんですのよ
本当に申し訳ない事をしてしまいましたわ」
ヒルダさんが俯く
この人って、意外と思いやりのある人なんだなぁ
するとここで沈黙を破るかのように橙野さんが怖ず怖ずと発言する
「もしかしてその子、頭のてっぺんに癖毛がありませんでしたか?」
ヒルダさんは少し目を見開く
「どうしてそれを…?」
「わっ私も声をかけられたから…」
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