0の世界の崩壊-2day-

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「な~んか、辛気臭ぇな」 大きく伸びをして、1度気分を入れ替えてはみたものの、やはり直ぐに割り切れる事ではない 時刻は16時12分 テルと別れてから僅か5分、オレは未だに広大な敷地を誇る我が校の校門にたどり着かずに1人トボトボと歩いていた 彼が何を思い何を伝えようとしていたのか 考えれば考えるほど頭の中の疑問符は増える 多分明日になれば全てが元に戻ってるだろう そんなポジティブ思考が功を成して、ようやく自分の中の蟠りを追い払った 日はまだ高く、クラブ活動をする生徒達の活気ある声が遠くから聞こえていた 正面玄関から校門にかけて、道の両側には無数桜が規則正しく植えられ、今の時期が一番の見頃である しばらく進むと 校門の外に誰かが立っているのが見えた 人を待ってんのかな…? 近付くにつれて、シルエットは徐々に小さくなる おんなの子? 色彩がはっきりしてくると、その正体が中学生位の少女だということがわかった 顔を見ようと少女を覗き込むと、視線が交わりオレは思わず顔を伏せてしまった このような事態が起こった時、思春期の男子なら少なからず、その視線に淡い期待を持ってしまうものではあるが、この場合は少し特殊であった に、睨んでた? 数m離れた位置に立つ少女は、間違いなくオレを睨んでいた なぜだ? 髪を掻く振りをして、もう一度盗み見た 身長は約150cmと小柄 顔は整い、髪は長くて綺麗な黒色 あれ?このフレーズどこかで… オレの脳に昼間の橙野さんのセリフが蘇る 『ーーでも、すっごく可愛かったですよ 顔も整ってたし、髪も長くて綺麗な黒だったしーー』 …まさかねぇ そうこうしている内に、オレは少女の脇を通り抜け、その間少女はオレを睨み続けていただけで、特に何もアクションを起こす気配はなかった 違うのか? 相手が可愛いこともあってか、少女が話しかけてこなかった事にオレは若干落胆した
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