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やれやれ、勘違いも甚だしい…
自分自身に呆れ、さっきの煩悩を記憶から抹消しようとした時だった
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴっ!!
耳を劈くような轟音が辺り一面に鳴り響いた
地響きにも近いその音は、止むことなくその場にある全てのモノを揺らした
「何なんだよコレっ!」
地面は揺れ、内臓が圧迫され、オレは平衡感覚を失いつつも何とか踏み留まり、周りに目を走らせた
遠くでは幾人もの悲鳴が上がり、近くの通行人はバランスをとろうとしゃがみ込む
この音の元凶は一体何だ?
注意深く周りを見渡していると、オレの目にさっきの黒髪の少女の姿が映し出された
驚く事にその少女は、この轟音の中を揺らぐことなく平然と直立していたのである
そして少女は幼さを感じさせない程の剣幕で、何もない空の一点を睨みつけていた
あそこに何か在るのか?
オレは真相を確かめるべく、少女に近づいた
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