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「寝みぃ…」
始業式が始まるに相応しい気持ちの良い朝にも関わらず、オレの第一声はそれだった
零(れい)
オレが幼少期に偉大なる父上と母上が数多の候補の中から入念な話し合いの末に選び抜いた大事な名前である
「総ての始まりになれ」という大層な意味を込めて付けてくれたというのだが、オレの大親友達は『知力0』という皮肉な意味でオレのことを『レイ』と呼ぶのだ
現時刻は7時12分34秒
いつもなら夢の中であろうこの時間になぜオレは起きれたのか
答えは簡単、3つ年下の可愛い妹に起こされたからだ
オレは親バカならぬ兄バカである
自分で自覚している位なのだから、周りからはソレ以上の評価を受けているに違いない
シスコ…とりあえずこの話しは置いておこう
「お兄ちゃん、新学期でしょ?早く起きないと遅刻しちゃうよ、急いで」
オレの顔を上から覗き込み妹の顔、ご飯三杯いけるぜ
八面玲瓏の妹の声で眠気は瞬時に吹き飛び、オレは爽やかな声で挨拶をした
「おはよう、我が妹よ」
「お兄ちゃん…ヨダレ拭いたほうがいいよ…」
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