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それが終わると、違う部屋に案内され、眼鏡のレンズを外したような物をかけさせられた。
先ず、左目に目隠し代わりの物を入れ、右目側に視力検査をしながら代わる代わるレンズを交換し、1.5のCマークの切れ目がハッキリ見えるようになった。
次に、右目に目隠しを入れ左目にレンズを代わる代わる入れだした。
5分程同じ作業を行っていたが、担当の男性が、
『お客様、あの…言いにくい事なのですが、実は私は眼科医をやっておりまして、お客様の目は視力がどうとかと、言うより一度大きな眼科で精密検査を受けた方がよろしいですよ。』と言われ、帰されてしまった。
店を出た後、妻が心配そうに、
『明日病院行く?』
と聞いたが、次のやすみ迄まだ間があるのと、大した事は無いだろうと高をくくっていた為、
『まぁ、暫くは大丈夫だよ。今まで仕事は、こなして来たんだし』と僕は取り合わなかったが、
妻は、『でも心配だから、明日じゃなくてもいいから来週の休みには行って。』強く進める。
それはそうであろう。
一家の稼ぎ頭が、失明でもして、収入が無くなったら、生まれたばかりの子供と3人で路頭に迷ってしまう。
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