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70点シートとは、米子市立中学が出す、中間期末試験直前の、社会科暗記シートである。
この中から70点分出ますよ。
約束は守られている。確かに70点分は出ている。
こんなものが出ると、「70点狙い」と言って、最初から教科書を見ずに、このシートだけで行こう、という不心得者が出る。
最初から、70点でいいや、なんてやつが、70点取れたためしはなく、こういうやつは、60点どまりである。
地理は、教科書自体がすごい手抜きである。私が中学生だった頃は、ヨーロッパのややこしい地図でも、国名と首都名は最低限覚えるものとされ、実際、覚えた。
今は、イギリス、ドイツ、フランスしか覚えない。あとは、「発展学習」の彼方である。
国名なんか覚えても仕方ない、革命ひとつで変わるのに、という意見がある。
確かに、私が中学生だった頃、
セイロンという国が存在し、スリランカという国はなかった。
バングラデシュはパキスタンの一部だった。
ソビエト連邦共和国という国が存在し、ロシア共和国はなかった。
ロシア共和国は、かつてのソビエト連邦共和国の全領土を支配してはいない。
ウクライナとか、ウズベキスタンは、かつてはソビエト連邦だった。
やたら国境の変更が激しい地域は、歴史も波瀾万丈であり、高校の歴史教科書には、容赦なく登場する。
仏領インドシナ(現在のベトナム)と言われて、ベトナムってどこだ!が三割もいると、米子南高校(学力中位の県立高校)の教師は語る。ああ!
地理は大事である。
万里の長城って、北京に近い。北方民族の侵入を防ぐために作られたというが、なんでそんな危ない場所に首都を構えたかと、問う者がある。
モンゴル系が政権を握った時代は、北京が都で危なくはない。北京以北はみなモンゴル系である。
漢民族が都を定める時は、南京である。
日本軍の南京入城時、南京市民はほとんど避難したあとだった。
帝国陸軍は、もぬけのからだった南京に、無血入城した。
30万人を虐殺するためには、30万人以上の人口と、30万人を虐殺出来る武器弾薬が要る。
そのどちらも、なかったのに、南京で30万人が虐殺された。
SFである。
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