specialthanks:ひなぽッ~手~

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上下左右の隅を、割れないように木で補強されている曇りガラス。 ガラスには何も映っていない為に、僕は下の木の部分を探した。 人差し指で木目をなぞるが、埃しか付かない。 虫はどこかな? 今は鳴き止んでいるのか、音が消えている。 眠れない僕は曇りガラスを背に座り、虫が鳴くまで待ってみた。 カリカリッ、カリカリッ。 ぺたり、ぺたり。 あ!鳴き始めた。 退屈な時間を過ごしていた僕は、待ちに待った鳴き声に、ときめいてしまった。 空気を切り裂くような鳴き声は、座っている僕の頭の上から聞こえる。 頬の筋肉を緩くしながら、僕は音の聞こえる方へと視線を上げた。 薄暗い廊下側から目立つように真っ白な何かが、小刻みに動きながら曇りガラスを触っている。 あいつが正体か!? 僕は虫を捕まえようと腰を上げて、曇りガラスを1枚挟んで真っ白な何かと対峙した。
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