さよならとよろしく

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 私達はいつまでも喋ってられる。 くだらなくても嫌な事なんてないし、今話す事でもないのに自然とこうなってしまう。 「……ユウ君はさ、私のどこが好き?」 「んー? 口。ってか、唇」  思わず手で隠した。 「煙草吸ってる時って唇に目が行くんだよね。それに話してる時も……笑ってる時とか」 「やーっ、恥ずかしいな、おい」 「逆に俺は?」 「そうだなぁー」  私は枕に頭を落として、横向きのままのユウ君の顏を見上げた。  真っ黒で猫っ毛の髪に、長いまつ毛、大きな目にふっくらした唇。 所詮パーツに過ぎないそれで好きかそうじゃないなんて、ちょっと笑える。 私はこの人が好きだ。 この人だから、好きだ。 「全部、好き」 「ははっ。俺もー」  言わせられた感がする。  ずるいなぁ……でも嬉しい。  仰向けになって布団をかけ直す。 「……ありがと。来てよかった。ちゃんと――ユウ君?」  ユウ君はもう眠っていた。 さっきまで話していたのに、すーすー、と可愛い寝息が聞こえる。
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