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もう眠いよね……いっぱい、したもんねぇ……。
私はユウ君の頬に軽くキスして、そっ、とベッドから出た。
照明をさらに薄暗くしてソファーに移動してバッグから携帯電話を取り出した。
煙草、とまたベッドへとうろうろ歩き、メール編集画面に文字を打っていく。
ん? 何だよ、火ぃ点かない……。
かちん、かちん、と何回押しても点かないライターに、いらっ、とする。
ユウ君と交換した百円ライターはもう火が点きにくくなっていた。
無理矢理小さな火を点けて、急いで煙草にそれを移す。
ライターをテーブルに置いた時、私とユウ君のブレスレットが目に入った。
これも交換したもの。
ずっと大事にしていて……。
――こんな風になるなら……好きになるんじゃなかったなぁ……。
「……ひっ……うー……っ」
声が出てしまってベッドに振り向いたけれど、ユウ君は同じ体勢で眠っていた。
起きないで……そのまま、夢を見ていて。
起きた時は、いつもの私でいるから……。
膝を抱えて、私は声を殺して泣いた。
叫びたいほどのこの本気の恋に、終止符を打つ時が来たんだ。
握り締めた携帯電話の画面に映る送信相手は。
【†YU†】へ。
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