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「本当に当ってんのかよ?」 大樹は皆の心を代弁するようにランスへと問い掛けた。大分刺があるが……。 『あってるよ。方向指してるじゃ……あ、そっか。君達まだ使えないんだもんね。それじゃあ見えないか。』 「まず'力'を引き出さねぇと属性すらわかんねぇからな」 「それってさっき大きい生き物が止まったのと関係あるー?」 皆がランスとアルエの話しに付いていけず、頭に疑問符を浮かべている中、一人だけ冷静にさっきの出来事と今の話しを結び付けている人物がいた――会計の高橋凌である。 ランスはその言葉に驚いたように二、三回瞬きした。 「……よくわかったね。見た目の割に頭の回転が早いみたい」 滅多に人を誉めたり感情を出したりしないランスも素直に称賛の言葉を上げた。 「よかったな、桃の坊主。ランスが人を誉めるなんて滅多にないんだぜ」 「こーんな可愛い子に誉められるなんてうれしいなー」 凌の株が少し上がったと思ったが、今の一言で台無しになったようだ。 「やっぱりあんた嫌い。ま、いいや。さっきアルエが言った'力'って言うのは魔法の事だよ」 「「「「「「「「「「魔法!?」」」」」」」」」」 「そうだ。そして魔法を使うには魔力がいる。量は人それぞれだがな。因みにランスは『余計な事は言わなくていいよ』だそうだから言わないでおく」 「はっ、言いたくねぇって事は量が少ねぇんじゃねぇの?」 ランスが話しを止めた事で量が少ないんじゃないかと大樹が馬鹿にしたように言ったが、実はその逆だったりする。 「(魔力の質、量、共に国一なんだけどな)」 「(ギロッ)少し黙っててくれる?」
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