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まぁ初対面からではそう見えるだろう。
髪は栗毛だが、陽の光を浴びた俺の髪は赤に近い色をしているし、現代っ子特有のゲームのし過ぎで目が悪く、目をすっと細めている自分の顔は間違いなくそこらへんのヤンキースだろうて。
だけど、その内面はというと、ただのゲーム好きなもやしっこで、音楽が好きなただのほんとにどこにでもいる普通の少年だ。
これだけは自信をもっていえた。
か、悲しすぎるぜ、俺。
自らの発言に傷つけるという、ボム特有の自爆技を使っていた。
イワークもびっくりくりぼー。
我ながら寒いギャグを脳内で繰り広げながら、彼女に催促する。
「んで、それが?なんか関係あるの?」
「……フフ…教えてあげるとはいってないわ」
思わず古典的なずっこけをかましつつ、彼女を見上げる。
「……あ、そ、そうか。…そうっすね…」
ティーダっぽく語尾に変え、場を繋げるため、愛想笑いをして見るが、本当に気分屋の彼女はもう此方には用などないとでもいうように猫と戯れていた。
なんとなく、その姿を見ていて、白いうなじが覗いているのに気付くと、思わず、自分がつけていた、お気に入りのマフラーを握る。
自分の大好きな服のブランドのマフラーを。
それに気付くと彼女が寒そうで見てられなくなる。だから自分の巻いていたマフラーをゆっくりと解き、彼女の背後にスネークばりに気配を消して近づく。そして。
「大人しくしてろよ?すぐ終わるからよ」
「ひ、ひぁ!あ、貴方、いきなりなにを?」
「あーはいはい。いーから、動くな動くな…」
手早く彼女の首に巻き付けてやると、最初さぞやびっくりしたのだろう。
びくんと体を一跳させると、奇声を上げて抵抗する彼女。
抵抗する彼女を適当にあしらいながら、形を整え、最後に落ちないように結んでやる。
「ほら、できたっと」
最後に頭をポンと優しく一撫でしてやると、勢いよく俺から離れて、猫が警戒するようにフーフーと息を荒くさせ、威嚇してくる。
「な、なに余計なことしてるのよ。こ、この変態!」
この変態…このへんたい…このヘンタイ…
珍しくハキハキと喋ると思いきや出てくる出てくる、ポイズンもとい、ハートクラッシュな言葉。
なんていうか、美人なやつから言われるとさ、自覚していることであってもきつい時ってあるよな。
だが、それを表に出さない俺、超ポーカーフェイス、超紳士。
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