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四月四日。早朝四時。
俺は一心不乱といっては過言ではないほど黒い枠組みの液晶テレビを食い入るように見つめていた。
テレビの画面には輝かしい鎧を着ている背格好から男性の姿が映し出されていた。
そこには、一人の戦士は赤黒い人形の霧状をした不吉なモノと対峙している。
戦士はまず、盾を背に背負い直すと、なにやら血がこびりついたドデカい鉄板、それは………鉄塊だったではなく、なんと異様に刃が長い包丁のような物を両手に握る。
そして。
「出でよ、デーモンと抗う人間の術よ……そして権限せよ…賢者フレーキから託されし光の武器を!」
そう何やら厨二全開な事を俺が抜かしながらコントローラーを素早く操作していく。
ブォォン、音にしたらそんな感じだ。
抱えていた剣に手を翳しながら、刃先の方へ滑らかに動かしていくと、通っていく所から武器が眩く発光し始める。
「は、てめぇの敗因はたった一つ。てめぇは俺を怒らせた…」
その立ち振る舞いは騎士には相応しくないの態度だがどこか頼もしさを感じる。
光る武器を肩にかけ、ゆっくりと間合いをとる。
そして赤黒いファントムから距離をとる。
俺が今現在何をしているかというと、夜の不健康男子よろしく、徹夜でゲームをしている。そのゲームの名前はデーモンズソウルというプレイスタイル3という据え置きのゲームの一つだ。
この黒いファントムはデーモンズソウルというゲームの副産物的な物で、プレステ3をネットに繋ぐことでオンライン、つまりどこか知らない人と戦う事もできるという、敵としてオンラインの人と戦うわけだ。
この機能が結構凄くいい、たまに三対一でやったりもするが、これがいいのよ。
一人で三人の敵に策を駆使し勝つときの充実感、爽快感がたまらない。
最初にした時は他プレイヤーから殺されまくったりしたけどな。
それでも、俺はこのゲームにはかなりの実は自信がある。昔はたしかに死にまくって四苦八苦してはいたか、それは最初のうちだけで今では、何かのイベントか何かで催しでこのゲームの大会があったのよ。
そのゲームの大会で実は俺、優勝しちゃいました。
いやまじ俺が優勝だから二位の人とか半端なく上手かった。その人に勝ったのは本当にギリギリだった。
なんとか苦戦しながらも勝つことはできたが正直苦手な相手だったからもう会いたくはない。
その人自体はすげー良い人なんだけどね。
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