~Day4~ another story

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「うむ。脱出には地下下水道を使うしかない。そこしか道がないからな。その上で、大人数での移動を可能にする術と、安全圏まで逃げ切るための武器、食糧を始めとした物資の確保、この二つがどうしても必要となる。しかし、この両方が今のこの場所には存在しておらず、どうしたって外部から調達してくるしかない。そこでだ、お前には夜が明け次第、下水道を抜けてある場所に向かってもらいたいんだ。」 予想の斜め上を行く解答に意味が分からず、少しの間思考が凍結するが、その一瞬の後、一人で警察署の外に出なければならないことを理解し、思わず声が飛び出た。 「わ、私一人で物資の調達に行くのですか?」 「……そういうことになる。本当は私が行くべきなのだが、今署内はかなりバラバラで指揮系統も破壊されており、それぞれが無計画にバリケードの補強などをしている状態だ。組織としてもう一度再編し、効率的に各人を機能させる必要があるため、今は手が離せない。さらに、大人数で動けば奴らに見つかり易い上に、今まともに実戦経験があるのはもうお前ぐらいしかいないんだよ。すまない。」 「仰ることは分かりました。確かに、誰かがやらなければもうどうにもならない状況ですからね。本部はまともに機能せず泣き崩れる始末ですし、機動隊で帰還したのも俺達だけですから。自信はありませんが了解しました。」 実際本当に自信はない。もう一度、あの屋上でやり合った奴と同じ奴らがひしめく中を潜り抜け、物資を調達してここに戻ってくるなんて、はっきり言って無理がある。しかし、このままここで縮こまっていても、いずれフェンスを突破した奴らにズタズタに喰い殺されるのもまた事実である。 座して死を待つのか、それとも自らに降りかかる災厄と身命を賭して戦い、あわよくば大勢の命を救った上で生き長らえるのか、苦しいのは明らかに後者だとは思うが、格好良いのもまた後者である。ならば漢として選ぶ道も、ただ一つだろうよ。 「では、具体的にはどうすれば良いんですか?」 「ここにある特殊銃を使い、ある場所に向かって物資、車輛を確保してもらいたい。そこには武器も食料も大型の車もあり、私の勘が正しければ、生存者もまだいるはずだ。彼らと協力し、進入したマンホールまで戻ってきてくれ。お前も拳銃の護送任務で何度か行ったことがある場所だよ。」 「つまり、その場所とは……。」 「豊丸重工業だ。」
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