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「どうも、どうも須美津義鷹でっす! 皆是非とも仲良くしてくれると嬉しいっす!」
義鷹が元気に挨拶をした。いや、もう本当うんざりするぐらいに元気にだよ。
「うーん…席はなぁ…おっ!楠木の隣空いてるな」
担任がこちらを指差して言った。あーもー今日はツいてないのかも……
「改めてよろしくお願いさせていただくっすよ。鈴の字」
義鷹がさっそく話しかけてきた。勘弁してよ……
「初めまして須美津クン」
他人のフリ。他人のフリ。
「釣れないっすね……まあ詳しい話は後って事で。じゃあよろしくでさー……」
義鷹が言った。ちょっと後で話すって何を?
「あっ! ちょっと……」
聞こうとすると既に義鷹は寝ていた。こんな早く寝る奴アニメ以外で初めて見たな。
「はーい朝のホームルーム終わりだ。号令はしないから次の授業の準備しとけ」
担任はそう言ってから教室から出て行く。ろくに号令もせずに次々に立ち上がるクラスメイト達。
そうだ。
「義鷹……移動教室」
当の義鷹は自分の席で静かに寝息をたてていた。
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