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「全くのヒント無しじゃないか…お嬢さん多値論理って解るかな?」
呆れたように月兎は言った。しかしただの高校生の私には解るはずもなく、首を傾げて答を教えてくれるのを待った
「無知な人間嘆かわしいや…多値論理ってのはな、ヒント一つじゃ答は複数出ちまうの。つまり手間がかかる!」
月兎は急に立ち上がり、そう言った。
「無理…ですか?」
「誰が無理だと言った誰が」
「意地悪は駄目ですよ月兎」
月兎は苛立たしそうに言い、それを見てとなりの久良木さんがたしなめるように言った
「何処が意地悪だ久良木。まぁ良い……義鷹!」
月兎が誰かの名前を呼びながら、右手の指をパチンと鳴らした。
「お呼びでさお嬢?」
月兎の横に高校生くらいの男性…名前は義鷹と言うらしい。とにかくその義鷹が現れた。
「義鷹、明日からこの学校通え。で、そこのお嬢さんから話聞け。」
月兎が淡々と事情を話す。
「あいさーお嬢。」
「お嬢さん、そう言う事だから。」
義鷹が頷くのを確認すると、続けて月兎が私に言った。
「はぁ…」
突然だったので、私は気のぬけた返事をした。驚きの連続で正直処理が追いついてない。
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