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「よし話は終了。久良木なんか飯。お嬢さんも食べてけ」
月兎が手を叩きながら言う。そう言われると腹の虫こそ鳴らないけれど、昼から食べてないので空腹感が戻ってくる。
「はい解りました。今日はカレーですが?」
「うむ、よろしい。あっ、ほうじ茶な」
「はい了解です。鈴さんもごゆっくり」
月兎と久良木さんはニコニコしながら会話を交わして奥へ入っていく。
「久良木の飯は美味い。期待して良いよお嬢さん」
月兎はそう言って鼻歌を歌い出す。その様子を眺めていると、どんなカレーが来るのかと楽しみになってきた。
*****
「お待たせしました」
奥から久良木さんと義鷹が4人分のカレーと飲み物を運んできて言った。独特なスパイスの香りが食欲をそそる。
皿が置かれるとすぐさまに月兎はカレーを口に運んだ。その姿は外見に相応に見える。
「美味い!流石だよ久良木、誉めてやる」
「お褒め頂き、ありがとうございます」
久良木さんがそう言ってクスッと笑った。静かな笑みがとても似合う人だ。
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