ぼくの僕

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 こんにちは。皆様いかがお過ごしでしょうか。冬ですね。寒いですね。  そんな中僕は、ベタに風邪を拗らせてしまい、我が恋人から受けたくもない看病を受けているっていう、よく携帯小説なんかである状況にたたされているわけである。  それもこれも全部こいつのせい!今まさに僕の看病をしているこいつ!あたかも心配して看病してやってますよって言わんばかりの顔をしているこいつが、僕の風邪のもとなんだ!  というのも、って何から何まで話すと長くなってしまうし、生々しくなるから、この僕が言葉を選び丁寧かつ簡潔に教えてやるけども、一言で言えば、  こいつが風邪ひいてるくせに盛ってちゅーするわせっくすまでするわで完璧に僕に風邪を移したんだよね。全然一言じゃなかったけどね。 「ごめん珪ぃ…」 「いいってば…」  さっきからごめんだの許してだの言ってるこいつ。その度に許すよいいよって優しく返答してあげる僕は中々いい人だし寧ろいい人すぎて天使なんじゃないかって疑われるんじゃね?僕人間です! 「珪ぃ、ごめんなぁ…?早よよぅなってーな…」 「…声出すの疲れるんだからね…」 「…ごめん」  そりゃそうだよ、散々喘がされたし。こいつ本当に風邪ひいてんのかばりの盛りようだったからな。全部こいつのせいだよ! 「珪、寝る?それか、お粥作ろか?」 「…ねる…」 「そっか…」  関西人って怖いよね。勢いあるからね。僕みたいなどちらかと言えば暗い人にとっては怖いんじゃない? 「おやすみ、ゆっくり寝ぇや」 「うん」  部屋の電気を消して出ていくあいつ。やっとあいつのマシンガントークから解放されるわ。滅茶苦茶気が楽かも。あぁ、静かになったら眠くなってきたな。睡魔って急に襲ってくるから怖いよね。  あーやばい。もう寝るわ、寝ちゃうわ。起きたらあいつにお粥作ってもらお――――。
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