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「あ、いいな」
「一個しかないよ」
「一緒に使うって発想ないの?」
「…お前のがよっぽどホモ気質だよ」
こうやって並んで立ってみると、背丈はあまり変わらなかった。でも、足はすらっとしてるし、俺なんかより細身で凄く綺麗。俺が女なら惚れてるんじゃないか、って思うくらい。
美人、とか綺麗、とかっていう言葉が似合いそうな感じだ。
「君みたいに人の事ジロジロ見たりしてないぶんマシさ」
「可愛げねぇな」
「つまりカッコいいって事?」
「ばーか、自惚れんな」
こいつ、絶対口喧嘩強い。居るよねー、そういう根性が捻くれちゃった人。こいつとは絶対口喧嘩しない。負けたくないし。
再び沈黙が流れた。別に気にしていなかったが、ふと疑問を思いつき聞いてみることにした。
「お前、なんで俺の事知ってんの?」
「春休み明けの始業式は出た」
「教室居た?」
「うん」
全然気付かなかった。ていうか気配消しすぎじゃない?本当に分かんなかった。てか1日でクラスメイトの事全部覚えたのか?
そうだとしたらなかなか凄い奴じゃん。やっぱり本がお友達の黒縁眼鏡クンは秀才なのか、お約束通り。
「テストは?」
「別室で受けてる」
「…点数は?」
「平均は全部越えた」
「…そっか」
並ということかな。でも、言い方がなんか、引っ掛かる。「並だよ」とかじゃなくて、とか曖昧な表現使うとことか。
どうしても聞きたくなってしまったので、聞くことにした。というか、会話しないと何のために一緒に帰るの?って感じじゃん。
「最高点は?」
「……はぁ、一応は百点だよ。まぐれだけど。」
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