435人が本棚に入れています
本棚に追加
▼▼▼
「へー、結構帰り遅いんだ」
「あぁ…てか、本気?」
「当たり前じゃん」
あの後、俺の家に上がり込んで図々しく飯をご馳走になり、しかも風呂にも入るという、なんとも遠慮の見受けられない河菱は、俺の平日休日の基本的なスケジュールを紙に書き出している。
といっても、起床、登校、帰宅、就寝の時間しか書いてないけれど。
「そのわりには、寝る時間早くない?」
「そう?」
「うん。いくらなんでも十時はないよ。」
「十時になると眠くなるから…」
「子供かっ」
別にお前に言われる筋合いはないし、俺の勝手だ。いや、まぁ、早いとは言われるけどさ。
「まぁまずは、睡眠時間を削ろうよ」
「はあ!?今でも睡眠時間足りねぇんだぞ!」
「どうせ授業中に寝てるんでしょ?」
「うっ…」
「あ、やっぱりそうなんだ。じゃあ、あまり変わりないじゃん。後、暫くすれば慣れる。」
「経験者は語るの?」
「まぁね」
なんでコイツはこんなに自信に満ち溢れてるんだか。羨ましいことこの上ないね。何にでも上から目線だね。
取り敢えず落ち着いて話を進めるためにも、ココアを一口含んだ。飲み物の中ではココアが一番好きだ。
「じゃあ…君が部活から帰って、風呂入ったり飯食ったりし終わるのが大体九時だろう?」
「うん」
「じゃあ、そこから十二時まで僕が来るよ」
「う…はい?」
危ない、もう少しで了解してしまう所だった。あぶねー。
というか、三時間も勉強するの?…本気で?
「んじゃ、そういう事で。明日から来るから。あ、電話番号教えてもらえる?」
「あ、はい…」
最初のコメントを投稿しよう!