ぼくの僕

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   ▼▼▼ 「…ん」  起きた。体が相変わらず怠い。喉が痛い。あと、僕の腰の横に何かがある。何かが。上半身を起こす。あぁ、こいつか…。 「このやろー…ぐっすり寝やがって」  僕が寝ているベットに頭を突っ伏して、寝ている巨大な犬みたいなこいつ。  「…お粥…」  つんつん。  と突いてみる。うぅ…と唸って寝返りをうつ。寝返りといっても頭だけなんだけど。でも、うまいことこっち向きやがって。気に喰わん。こんな携帯小説展開。 「おい。こっち向くなよ」  もちろん返事はない。やばいぞ、このままだとこいつの寝顔が可愛いって話になってキスしちゃって実はこいつが起きてて僕がツンデレ気まぐれにゃんこキャラになっちゃう! 「…起きてるのか」 「何故ばれた」  さすがです。フラグ回収完璧。 「お粥、水…アイス」 「何、喉乾いたの?」  ずいっと近づいてくるこいつ。ニヤニヤしやがって、この変態。その手に引っ掛かる僕じゃない! 「普通に水持って来い!」  さすが僕。ガード完璧。口押さえちゃったもんね。 「ケチ!ちゅーくらいええやん!」 「馬鹿。僕今風邪ひいてるんだってば。」 「…生殺しやー…」  万年発情期だなこいつ!もうこいつには呆れるしかないな!なんで病人とヤりたいと思うんだよ。しかも仮にも恋人だよ?愛があるんなら少しくらい労っていただきたいな。 「持ってくるから待ってな。お粥も作ってあるからすぐ持ってくるわ」 「アイス」 「アイスはー…あったかなぁ」 「…ないんならないでいい」 「ん、ええん?んじゃあ、わかった」  デカい図体してトテトテって効果音がつきそうな歩き方で部屋を出ていくもんだから、なんか笑える。まぁ、可愛いとこあるし、さすが僕の彼氏ってとこだよね。とかなんとか自惚れてたら、愁が帰ってきた。 「ん、お粥と水。アイスは食べおわってからのがええかなって思って」 「ありがと…」 「はあん!珪にありがとって言われたん何年ぶりやろ!」  愁の欝陶しい絡みは全力でスルーして、まず水が飲みたい。未開封のペットボトルに入っている天然水。今この状況ならまさに砂漠のオアシス。さぁ早く僕の口の中に飛び込んでおいで!
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