ぼくの僕

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「あっ…」 「ぼくが飲ましてあげる!」 「いいよ!自分で飲める…!」  愁にペットボトルを奪われた。この先は大体読める。絶対口移しじゃん。そうだよね?そうだよね、絶対そうだよね?また風邪うつっちゃうよね? 「もうっいいってば…!」 「うっお…!?」  バタッ…  …さて、今の状況を、簡単に説明すると、だ。  ペットボトルの取り合いをしていたら、僕が愁を押し倒したかたちで床に落ちた。  今絶対僕顔真っ赤だ。顔暑いもん。ほんと、勘弁してよ。これ、僕が仕掛けたみたいになってるじゃん。 「ひゅー、珪くん大胆ー」 「ちがっ…うお、離せっ!」  抱き締められた、もう駄目だ。捕まった。耳元で愁が水を含む音が聞こえる。あー、もうこうなったら抵抗しても駄目だ。長年の経験からこういった結論が出る。  ゆっくり水を含んだ愁の顔が近づいてくる。僕は観念して目を瞑った。 「んっ…」  容赦無く入ってくる水。意外にも、僕が水を飲み込むと、すんなり口を離した愁。恐る恐る目を開けると、愁は厭らしい笑みを浮かべ、 「我慢できひん…」  …この万年発情犬が。 「ちょっ…と…!ヒッあ…」  首筋に愁の舌が這う。いきなりがっつきすぎじゃない?僕の身が持たないよ。だって昨日したばっかだし。風邪引いてるし。 「んっん…ふ…っ」 「きもちい?」 「っばか…!全然きもちくない…っ!」  ちくしょう、余裕そうな顔しやがって。むかつく。下手くそ、ゾウリムシ、単細胞!こっちの気もしらないで!  あぁ、こんな事考えている間にも僕の口からは吐息と喘ぎ声が漏れる。  余裕綽々といった感じで行為を進める愁を殴り飛ばす気力もなく、されるがままになっている。
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