ぼくの僕

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「なぁ、珪…」 「なっ、なに…」 「ぼく珪のこと好きや…」 「いきなりっ、何…」 「ふふ、言うただけっ」 「きもちわる…うあっ!」  甘い声で愛を囁いたと思えば、いきなり首に噛み付いてくるし。本当に本能のままだな、コイツ。  そんなやつに惚れた僕も僕なんだろうけど。惚れた弱みとはよく言ったもんだよね。  僕が上の状態だったため、やりにくくなったのか、僕を抱えてベッドに寝かせ、着ていたTシャツとジャージを脱がされ、ボクサーパンツだけというなんとも格好悪い姿にされてしまった。  ボクサーなわけだから勿論、僕自身もしっかり反応してしっかり存在を主張しているわけで。見られるのってなかなか恥ずかしいよね。 「そんな…見るなよ」 「やって、珪感じてくれてるやん、うれしくて」 「…変態」 「んへへ」  ニヤニヤしながらムギュッと抱きついてきて、耳に優しくキスをしてから、「愛してる」って囁く。  ベタな奴。どこの携帯小説だ。どこの携帯小説見てきたんだ。参考資料は携帯小説か!  ていうかそんな暇ないってば、こっちは中途半端に快感与えられてるから下半身が疼いてしょうがないんだよ!  でもさ、僕は「我慢できないから…///」とか言うキャラじゃないじゃない?だから言いだせなかったりしてて、ちょっと困ってるんだよね。これが焦らしプレイか、つらいな! 「んん…」 「限界?」 「はっ…?」 「イきたい?」 「…っ知らない!」 「ちゃんと言うてみ?言わなやったらへんで」  何の脅しだよ!と思っていたら愁がいきなり僕の自身を触れるか触れないかっていう微妙なタッチで触ってくるから益々下半身がつらくなる。  もう言えば楽になるし、言えばいいじゃない、と悪魔は囁く。天使の言葉なぞ説かせる隙も見せずに誘惑する悪魔に、負けた。  理性やプライドなんて脆いもんだね。
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