ぼくの僕

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「…ちゃんと、続きして」 「うーむ、まぁギリ合格ってとこやな」  ちくしょういちいちムカつく奴だ。ばーか、おたんこなす、へっぽこ。こいつに惚れた僕はなんて馬鹿だったんだろ。今も好きとか絶対言わないけど。 「うあぁ!?ちょ、…ぁっいきなり…っふあ…!」 「へへ、可愛い声やなー」 「ふぇ…あ…っ」  なんだよ、調子のりやがって。ばーかばーか。完全にペースに飲み込まれちゃったよ、まったく。嫌になっちゃうね。  僕を四つんばいにさせて、丹念に蕾を解すのはいいんだけど、さすがにいつまでもやられちゃもどかしく感じるわけで。  そうなるともう無意識に腰が揺れる。確実な快感が欲しい。 「珪、腰ゆれてる」 「う、うるさいっ!はやくやれよ…!」 「あら、珪くん今日は大胆なんやなー。」 「うるさい!…お願いだから、つらいんだよ…っ!」  そう言うと僕の頭に優しく手を置き、 「いれるで」 「う…ひぁ…っちょ、これって、んあっ!」  何を思ったかそのままの体勢でやるつもりらしい。そのままの体勢ってことは、四つんばいで、四つんばいってことは、バックってことだし、ということは僕が今バックで攻められかけてるってことじゃん。 「何だかんだで初めてやない?」 「ばか…!普通にっ、しろ…!」  もうソレが入りかけている。駄目だもう何言っても聞かないつもりだもう嫌だ…!  バックっていう体位がまず初めてで、それにも不安を感じるし、あと自分がどうなってしまうのかってことが分からないのも不安。 「珪、力抜いといてや」 「ちょ、待ってって…はぁっ」 「もう待った。」  だから、どこの携帯小説なのって。どこの少女マンガなのって。  というより入ってきてるよ!何か体位が違うから当たるトコが違うのかいつもと違う気がするし、何か変な感じだし、ていうか手繋げない。  仕方ないからシーツを掴んで快感に耐えた。いつもはコイツにしがみ付いたりしてるんだけれど。  だからなのか、無機質なシーツに更に不安を感じた。愁の肌が恋しくて、なんか、抱き締めてほしいと思った。
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