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貨物船ファイブスター号が発見されたのはミクロネシアの境界線近く、マニラから東へ１５００㎞の公海上であった。
三井石油の大型タンカー･リーガル号に発見、救助された記録によれば、６月６日１３時４０分にレーダーで船影を発見。４時間の監視ののち船長は再三の衝突警告の通信を試みたが、応答はなかった。
ファイブスター号発見から約８時間後、船上監視員が肉眼で船体を確認。船上火災の痕跡を発見したため、リーガル号は国際船舶条例にのっとり救助を開始する………死が文明世界に牙をむいたのはこの時からだ。
世界のあらゆる人々が暴力と殺戮に奔走し、様々な神に命乞いをしたが死はひろがった。
天国はその扉を固く閉ざした。だが、地獄の釜のフタは閉じる様子はなく、溢れだした亡者は地を徘徊し、新たな死者の世界を築き上げた。
人間は、その住む世界を失うこととなった。
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