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「「人入り?」」
双子に有りがちなハモりをし、兄弟は揃って顔をしかめる。
「…聞いた事ないな」
「李麗が柊護飼い出してから見ないしな」
「やっぱそうか~」
呻きながらベットの布団を巻き込みながら転がる。手掛かりが無いのが口惜しくて仕方が無いのだろう。
「李麗、落ちるよ」
大輝が声を掛けるも次の瞬間李麗はニブイ音を立ててベットから転がり落ちた。
「そういえばお二人の守護体ってどんなのだったんですか?」
会話からして柊護ではないのは確かだ。
「…笑わない?」
鏡夜が首を傾げる。
「え…はい」
双子は顔を見合わせ同時に答えた。
「「ハムスター」」
「は、ハム…」
「ハムスター!?」
噴き出したのは、李麗。
「笑うな!」
「そんなにおかしいかな…」
ムキになって布団にくるまった(むしろ一体化)妹に抗議する準夜と、苦笑しながら首を傾げる鏡夜。
双子とは言え性格も同じとは限らない様だ。
「ゴールデンだからね。長生きしたんだよ」
「はぁ…」
「李麗!潜るな!出て来い!この…ッ」
「『出て来い』って言われて出て来るかよ」
「なんて言うか…微笑ましいですね」
李麗と準夜のやり取りを見ながらの大輝の呟きに鏡夜は苦笑しつつ頷く。
「生まれた順に落ち着きが無くなってくんだよ…」
「なんとなく…」
鏡夜と大輝が揃って苦笑すると襖が静かに開いた。李麗の母が顔を出す。
「李麗ちゃん…さっきの子、起きたわよ。お話、する?」
「マジ!?」
「李麗、先に行ってるよ」
くるまった布団を頑張って引き剥がす李麗を尻目に大輝は少女の待つ部屋に向かった。
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