守護体

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「李麗は白い烏って居ると思うか?」 結局部屋の物を出すのは困難と察した大輝は客間で李麗と過ごす事になった。 「白い烏?」 寝転がって漫画を読んでいた李麗の視線が天井に向かう。 「…どうかなぁ外国にはいるんじゃね?」 世界広いし。伸びをして跳ね起きる。大輝の顔を見ると思った以上に真剣な顔をして居た。 『昔は私も白かった』 柊護を見、枝の上から零は呟いた。そして呉射を見て 『あんたも白かったのよ』 『僕も…ですか?』 『大輝チャンは泣いて否定したけどね』 昔の話よ。と零は笑った。 『呉射クン、覚えてないの?』 首を傾げる柊護に呉射は頷いて見せた。 『白い烏は【優鴉】って言って人とも会話が出来たのよ』 『いいなぁ…オイラも李麗チャンとお話してみたいや』 呉射は始終難しい顔をしていた。思い出そうと必死の様だ。 『でも、零サンも今は黒いですね』 『…少し前の話なんだけどね』 零は空を見上げた。 あの日と同じような雲一つ無い、澄み切った空に得体の知れない圧迫感を感じながら。 『あれは15年前』 語る。白き鴉だった頃自身に降り懸かった出来事を。
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